EMになる前となった後の話

今月で今の会社に入社して2年が経ちました。

そして2ヶ月前、Engineering Managerになりました。
なったよという話は、会社でインタビューを受けて記事になっているので、そちらも是非読んでみてください。

人を元気づけ、背中を押したい。エンジニアリングマネージャーへの「挑戦」 - note

この記事では、EMになる前にやっていたこと、なってからやっていることについて書いてみようと思います。

この記事は、Engineering Managerアドベントカレンダーの9日目です。

EMになる前

当社はフルリモートを採用している会社で、僕自身大阪に住みながら東京の会社で仕事をしています。
日本全国様々なところにメンバーが居て、今年は海外在住のメンバーも増えました。

そんな全国に散らばるメンバーと仕事をするので時には相手の状況が分かりづらかったりもするもので。最初のうちは少し苦労しました。

全てのが人がというわけではないのですが、どうにも分かりづらさを感じ、とりあえず自分から状況の発信をしていくことにしました。Slackのtimesに今やっている内容や思考を垂れ流してみたり、逆に他人のtimesにコメントを書いたり励ましやねぎらいのスタンプを押しに行ったり、Gatherというバーチャルオフィスに入り浸って入ってきた人とコミュニケーションを取ったりしていました。

そのおかげか、少しずつ「ありがたい」という声をもらったり、「とりあえずGatherに行けば小西が居て相談できる、壁打ちができる」みたいな状況を作っていけました。

主にエンジニアを対象とした社内施策「Mob.*」の立ち上げ

全員がtimesを上手く活用していたり、Gatherで会話をしているというわけではないので、状況が分かりづらい人ももちろんいます。
当時エンジニアにはマネージャーが居なかったので、状況を拾うことも出来ずただただ1人苦しんでいたという状況のメンバーもいたかもしれません。また、何か知見を得ているけれど、1人の中に閉じてしまっていてチームとして勿体ない状況というのもあったと思います。
この状況を緩和したかったのと、僕自身がより他のメンバー、特にエンジニアと仲良くなりたいという所から、社内施策として「Mob.*」というものを立ち上げました。
モブプログラミングのモブと「.*」の何かしらを繋げた名前で、みんなで集まってワイワイなんかやろうという施策です。
最初の方はVSCodeの推しExtensionを紹介したり、Next.js13がリリースされた頃だったのでリリースノートを読み合わせたりしていました。

今では他のメンバーも巻き込んで運営しながら、より運用コストを下げて継続性を高めるため形を変えて実施しています。
Notionのドキュメントに各々やっている案件で最近やったこと、その中で何か得たこと、辛いこと・悩みを書いておいて会の中で共有し、他のメンバーが質問やアドバイスをしたりしています。これだけだとおカタい感じになってしまうのは容易に想像できたので、フォーマットの最後に「今週のxxx」という項目を追加しました。
最近ハマっている事、気になっている事を書いてもらいたいという意図が有りましたが、会を重ねる毎にメンバーの色んなパーソナリティが見えメンバーがお互いの意外な一面を知れる良い項目になりました。

  • 気になっている技術
  • 最近作って美味しかったパスタ
  • 最近買ってみたガジェット
  • ハマってる音楽
  • この映画よかったから退勤したらすぐ見に行け!

などなど。

僕自身この項目が気になって毎週参加しているところがあります。

色々と情報収集をした

弊社では少なくとも毎月1回、メンバーとマネージャーとで1on1をしています。エンジニアは僕が入社するより前から繋がりがあった外部のEMの方に業務委託として入っていただき、その方と1on1をしていました。

1年くらい前に別のマネージャーや代表に「EMやらない?」と誘われた事をキッカケに、EMの方との1on1でもその相談をしはじめました。楽しさも辛さも聞きながら、やるのか、やれるのか、タイミングとして今なのかみたいな葛藤なんかも色々と。毎度色んな事で盛り上がって当初設定していた時間で終わった回があったのかは怪しいくらいです。とてもありがたかったです。

デザイナーのマネージャーともたまに話していて、どんな風にチームやメンバーを見ているか、接しているか、何を気をつけているなど聞いていました。

また、自分で見つけたり、進められたりして書籍もいくつか漁っていました。

個人的にこの2冊は読み終えた今でもいいなと思っています。

  1. エンジニアリング組織論への招待
  2. ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

どちらも得られるものが多かった本で、デスクからアクセスし易い位置に置いてあります。

更に、仕事終わりに買い物に行くタイミングでは、よくEM.fmやfuroshiki.fmなどPodcastを聞いていました。既にマネージャー職で働いている人が喋ってたりするのでためになる話も多かったです。

EMを始めてから

今年の10月からEMのタイトルを受け、これまでのフロントエンドエンジニアとしての業務に加え、そちらの業務も始めました。
特に人と向き合うピープルマネジメントの部分を軸に必要に応じて他の所も動いています。

同じタイミングで、業務委託で入っていただいていたEMの方により加わっていただけるようになり、引き続き色々と相談しながら進めています。

エンジニアチームの現状確認と基盤整備

最初はエンジニアチームの基盤整備から始めました。

使える社内制度の整理やその周知であったり、プロジェクトでの利用サービスの確認やアカウント周りの整備など。
組織規模がまだそこまで大きくないということもあり、権限については代表に集まっていましたが適宜委譲してもらい整備していきました。

おかげで、自分が依頼を受けてやっていた部分が委譲できたり、メンバーが動きやすくなったように感じています。

EMになる前は、少し半端に権限を貰っていた気がしていて、どこかもどかしいシーンもありましたが、より権限を貰いやすくなったと思うので、アクションを起こしやすくなったなと思っています。

採用活動により注力

EMになる前からエンジニアの採用には加わっており、全体の調整をしたり、カジュアル面談にも出ていました。

組織が拡大フェーズに入っているのもあり、EMになってからは採用により注力しています。

JDや採用媒体を見直し、これまでは応募に対して待ちの姿勢だったのですが、候補者になりえそうな方にアプローチをし始めています。
ありがたいことに以前と比べてカジュアル面談の頻度も増え、合わせて「いい会社ですね」と言ってもらえる事が増えてきました。

もちろん入社までいってほしいというのは前提ですが、仮に選考に進んで貰えなかったり選考でだめだったとしても、弊社を知ってもらえたり理解をより深めてもらえたなら良しという気持ちで取り組んでいるため、ポジティブな反応が増えてくるのは純粋に嬉しいなと思っています。

一部メンバーとの1on1を開始

社内のメンバー全員と1on1をしていきたい気持ちはもちろん有るのですが、もう1人のEMの方と相談のうえ、まずは少し絞って注力していこうとなり今はエンジニア全体の半分くらいのメンバーと話しています。

これまでプロジェクトで関わりがあったメンバーや、僕がアサインされていたプロジェクトに入れ替わりで入って貰ったメンバーが対象です。今までちゃんと話せていなかったメンバーもいるので、あらためてお互いを知る、より仲良くなる事を念頭に置いて話しています。

人によってちゃんと話せる人もいればそうでない事もあるので、メンバーそれぞれと向き合う事の難しさを感じています。
最近は話していく中で相手の納得のいくアクションの案を出せたり、相談を打ち明けてくれる事があったのが嬉しかったです。
こういう達成感を少しずつ増やしていけたらと思っています。

ただ、まだまだ答えを出してしまう事が多いので、今後はもう少し違ったアプローチ、例えば「本人に気付きを与える」コミュニケーションをしていくというのはちょっと考えてやってみたいなと思っています。


今後

今回はEMになる前に何をしていたのか、なってからは何をやっているのかを書いてみました。

最近はやり始めたところというのもあり特に採用に比重を置きがちなので、今後は既存メンバーと向き合う時間とのバランスを考えたり、自分がEMとして何をやるのかやるべきなのかを考える時間はちゃんと作って適宜動いていきたいなと考えています。

まだまだ不安も多いですが、先人の話を聞いていると悩みは尽きなさそうなので、この不安とも上手く付き合っていこうと思っています。

だらだらと書いてしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。